気づけば使っている建築用語!!
どんな分野にも『専門用語』ってありますよね?
初めて聞くと、その分野に興味のない人は「??」となってしまいます
もちろん建築用語も初めて聞くと難しい言葉が多いと思います
ですが、中には『あれ?聞いた事ある!』という言葉も混ざっているはずです
実は普段皆様が使っている言葉の中には多くの建築用語が含まれているんです
今回は建築用語から産まれた言葉とその由来をほんの一部ですがご紹介します♪
几帳面
平安時代以降、公家の邸宅に使われていた間仕切りの一種を「几帳(きちょう)」と呼んでいました
几帳の柱の表面は丸く面取され両側に刻み目が入った細工が施されました。本来、その細工のことを「几帳面」といいます。宮大工の技に通じる職人の技術が感じられる造りです
細部まで丁寧に仕上げられていることから転じて、「きちんとしたさま」を几帳面と表すようになりました
いの一番
柱の配置は「番付」というもので決められており、横方向は『い・ろ・は…』で、縦方向は『一・二・三…』となっています
基礎ができて最初に柱を立てるのは、「い」の「一番」
「いの一番」とは、家を建てるときに最初に柱を建てる位置のことを指しています
この建築用語から『一番最初にする』という意味で、いの一番と言うようになりました
一戸建て建築の現場を訪れると、い・ろ・は…、一・二・三…と採番された建築図面を見せて貰えるかもしれませんよ♪
子はかすがい
かすがいは「鎹」という難しい字を書きますが、2本の木材をつなぎ合わせる時に打ち込む大きな釘のことです
コの字型をしており、ちょうど巨大なホチキスの針のような感じです
鎹は二つのものをつなぎとめる事から、『子供がいなければ崩壊してしまうかもしれない家族を例えた言葉で、子供に対する愛情が夫婦としての縁をつなぎとめてくれる』という意味で使われる様になりました
ボンクラ
ボンクラ・・・ちょっと乱暴な言葉ですね
語源には諸説ありますが、そのひとつに「土の蔵」を建てる時の状況から来ているものがあります
土蔵というものは空気が乾燥している冬に建てるのが普通で、夏に建ててしまうと土の表面ばかり乾燥して平均的に乾かず、役に立たない土蔵になってしまうと言われます
つまり「盆の時期」に建てられた蔵が使いものにならないことから、ダメな人のことを「ボンクラ」というようになったのです
適材適所
日本古来からの建築用語に「土台ヒバ、柱ヒノキに梁はマツ」という言葉があります
ヒバは水に強く白蟻を寄せ付けづらいという性質を持つため土台周りにはヒバが良いと言われています。
ヒノキは縦の力に強いが横の力に弱い、マツは横の力に強いが縦の力に弱い
この性質から柱にはヒノキ、梁にはマツと言われます
この様に、適切な場所に適切な材を使うさまを『適材適所』というようになり、建築現場だけでなく広く一般的な会話にも使われる様になりました
どうでしたか?
このブログを見る前から知っていた言葉はありましたか?
他にも「段取り」「棚上げ」「縄張り」「畳みかける」「縁を切る」「仕切る」「落とし込む」「根回し」「釘を刺す」などなど・・・
本当に多くの建築用語が日常で使われています
是非みなさんもお時間のある時に調べてみて下さい
昔の日本人がどれだけ『建築』というものを大切に思っていたかが分かる気がしますね♪